スーパーで販売されている四角い味噌の容器の中に入っている白い紙は脱酸素剤を置く為に敷かれているので開封したら役割は終わるんだそうで、その後は味噌表面にラップをピッタリと貼りって空気を遮断して保管するのがメーカーのオススメだそうです。(2019/1/7)
味噌って何からできているか知っていますか?初めて手作り味噌を仕込んだ時、味噌が大豆・こうじ・塩から作られる事を知りました。仕込みの際の大豆をネチャネチャと潰したりかき混ぜたり団子にして移したりな作業はきっと小さな子供たちが夢中になるでしょう。仕込み直後のちょっと足らない味噌らしさも印象的。味噌っぽい気配はあるけどまだ味噌ではない様子に期待感。発酵途中の天地返しの時の開封時には香り高さに感動。隣の部屋まで味噌の香りが伝わりました。待ち切れずに食べ始めると若味噌・中味噌・熟味噌と各段階の食べ比べを楽しめる特典も。
味噌作りには、ちょっと考えただけでいくつも浮んでくる魅力があります。
『今』でもよいのですが、『元気があれば味噌作りもできる』ということで、味噌作りは一年中いつでもできます。しかし、寒い時期の方が空気中の雑菌が少ないと言われているのと、暑い時期は汗もかくので、最も適した時期はと言われれば涼しい時か寒い時かと思います。肌寒くなってきた秋から冬、ちょっと暖かくなってきた春が最適と言えるでしょう。
味噌作り初心者/入門者ならば、以下の配合で少量から始めるのはいかがでしょう?(他の味噌作りwebサイトも参考にしてください)
これで約2kgの味噌ができあがります。この配合ならば覚え易いし、多くの家庭で既に利用されている6.0リットル圧力鍋で一度で煮れるのと、混ぜる作業は潰すのに使う厚手ビニール内や27cmボールでも一度でできます。
こうじ(麹/糀)はスーパーの惣菜コーナーやインターネットで、保管容器は1.8L(1号)くらいの味噌用タッパーがホームセンターや100円ショップで売られているし、潰しと混合に使った厚手のビニール袋に入れたまま発酵させるのもアリでしょう。
長所 | 短所 | |
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ビニール袋 | 最も手軽で身近で安い。 | 味噌作りに使えそうな丈夫で食品保存向きのものがなかなかない。ネズミにかじられる事を防げない。 |
タッパー | 軽くてフタで密閉できる。 | 過去に環境ホルモンの可能性が指摘。 |
甕(カメ) | 歴史があり、メーカーによる諸物質の溶け出し等が否定。 | 重い。値が高い。国産高品質の甕製造メーカーの「久松」が事業終了。安い中国産は細かい割れ目から液が染み出てくる。 |
樽 | 甕に比べたら軽く、材木の中に味噌の菌が住み着くので、一度良い味噌ができると長く良い味噌が作れる可能性が高い。 | 甕と同じく、現在では国産において値が高い。水分を吸うのは良いが、そこにカビが盛大に生えてしまう。 |
ホーロー | 軽くて丈夫。 | 金属仕様なので、塩を多量に使う味噌作りにおいてはサビと溶け出しが心配。 |
生の固い大豆を一晩水に漬けてもどします。大豆の中心部の吸水度で煮た後の良否が分かれるので、単純作業ながら重要です。
水を吸って膨れた大豆を圧力鍋に入れ、火にかけて煮ます。まずは一度沸騰させて出てきた泡を取り除き、綺麗になったところで蓋をし、吹き出し口に重石を乗せて圧力を掛けます。
※圧力鍋を使う場合、鍋内側に『豆上限』なる刻み線があるのでそれ以上にしないこと。豆類は煮ている間に皮が剥けて圧力鍋の吹き出し口を内側から塞ぐと危険と思われます。
煮えたら穴開きお玉で豆をすくいとって濾し、潰します。
ムラが出来ないように均一に混ぜます。こうじを混ぜる際には、大豆の温度を60度以下に下げてから混ぜること(重要)。
そのまま袋の口を折って曲げて縛り、密封状態にして仕込みは出来上がり。潰している間に味噌内部の空気は抜けるし、あとは形を整え、そのまま数ヶ月間発酵させます。発酵させるといっても放置しておくだけです。
食べ頃の判断は好みの頃合です。『若味噌』『中味噌』『熟味噌』といった言葉もあり、「そろそろ」といった時から食べ始めて良いでしょう。食べ始めが遅いと最後の方が“熟し過ぎ”になる事にもなります。味噌は発酵期間が短いと大豆の色に近く、長いほど赤黒くなっていきます。
仕込が終わったら後は発酵させるだけです。当サイトでは厚手のビニール袋の中に仕込んだので、そのまま毎日、中の仕込み味噌の変化をチラッとでもみていると気が付く事があるでしょう。特に、暖かくなってきた桜の季節くらいから水分が出てきたり、仕込み味噌の上部が白くなってくる現象がみられるでしょう。この白いのは酵母の塊だそうで、酵母の増殖の結果であって順調に発酵が進んでいる証と言えそうです。
出来た味噌は二つに分けて、一つは常温で、もう一つは冷蔵庫の奥に入れて保管して比較する体験をオススメ。夏の最盛期を常温環境で過ごした味噌と、常に冷ややかな環境下で熟成した味噌との違いが体験できるでしょう。冷凍庫で凍らせた場合はほとんど変化しないと思われます。冷涼環境で保管され発酵した味噌はすぐに赤くならずに大豆の色に近い黄色といった感じで発酵の浅さを感じながらもとても美味しい味噌に仕上がります。
ビニール袋仕込み故に、ネズミに齧られて穴を開けられる事があるので、物置きに保管するより、台所のどこか目につくとこへの保管をオススメです。
販売用の市販の味噌は多くの場合、発酵を止める為に殺菌して店頭に並べられます。味噌の中の菌が生きていると発酵時に発生するガスによってパッケージが膨れたり、破裂したり、積めないなど運搬や棚並べに都合が悪くなるからです。その点、自家製味噌は菌が生きている状態。よって、市販の味噌と使い分けするなら、その長所を上手く生かす食べ方/使い方が上手いでしょう。では、どうしたらいいかというと、熱を加えない使い方ではないでしょうか。
味噌汁に使うのはもちろんよいのですが、煮立たせないのは香りを飛ばさない為であり、それでも味噌の菌の多くが死滅すると考えます。となると、菌を生きたまま摂取するには、新鮮な野菜につけて食べるモロキューや、味噌田楽などの付けて食べる方法が適していると思われます。
豆腐/あぶら揚げ/ネギ等の野菜類/なめこ等のきのこ類/わかめ等の海藻類/あさりやシジミ等の貝類/もやし/肉類/魚類
味噌を溶き入れる場合は、沸騰直後に火を止めるか弱火にして行うと香り飛びを防げる。